「山河破れて国栄える」2013/06/04 12:34

えー、ガイジンに日本のコトワザを突き付けられるなんて。先月のコラム、ご紹介致す。

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「ヘラ鳥ウォッチング」

「WHEN NATURE IS NOT ENOUGH」(05/08)

「山河破れて国栄える」 ナスリン・アジミ

(国連ヒロシマ調査局顧問)

(ヒロシマ・発)

1168年頃、武将、平清盛によって宮島に建てられた厳島神社は、ヒロシマから遠からぬ瀬戸内海の入江の端に立っている。ムカシから日本三大美景のヒトツに数えられ、1996年に、ユネスコによって世界遺産に登録されているのや。

この神社の建築はいわゆる神殿造りの傑作だ:朱色の柱の上に平衡が保たれ、瀬戸海峡を隔てて本土に向き合い、満潮時には海面に浮いて見える。

厳島は900年以上、多くの災害から生き延びて来た。台風、火災、地震、地崩れ、そして言うまでもなく、汚染、乱開発、政治的争いや戦争から。

2004年には、台風が屋根の一部を吹き飛ばし、床を引き裂いた。その数ケ月後、世界遺産専門家グループとともに、この神社を訪れた時、オレは宮司の一人に訊いたのや、こんな酷い破壊が修復出来るのかと。彼の言うには、日本人の長年の自然との接近が、こうした災害に対応する鋭い能力を育てて来た。この神社は、自然への順応を学んで来たからこそ、なんとか生き延びて来たのだと。しかし、規模が異常になり、自然との微妙なバランスが、根本的に突然に変わった場合は。日本の何処も対応出来ないだろうと。

オレがこの会話を思い出したのは、4月22日、IAEA派遣団が、2011春の地震とツナミで破壊されたフクシマ第一原発工場を検査した後の記者会見でだった。東京電力に招かれた派遣団は、最近の溢水の原因調査のために来たのや。その公式的見解は今月内に発表されるだろうが、すでにそのレポート草案が「不可欠なシステム」の改善が必要と強調している。

工場のモンダイは当初、ササイなものと見えた。3月、冷却システムの電力供給が停止された。これが後にネズミが電線を噛ったためと分かったのや。世界で技術的にもっとも進んだ国のヒトツで、核産業で高度の抑制努力をしていると言うイメージが、なんとネズミによって停止に至るとは。
(ここで災害へのオソマツな対処が列挙されるが中略)

でも、イイ報告もある、エネルギー前線では。昨年7月、太陽発電を活性化させるために、政府は「固定価格買取制度」を設けたが、これは期待以上に成功している。太陽、風、地熱への投資は上昇中やねん。

日本の大商社のひとつ、丸紅は、地熱に大きな投資をすると発表した。火山と温泉の国としては、これは豊富な資源やんか。3月には、愛知県沿岸の深海削岩で、シェールガスの多量の埋蔵が確認されている。

日本政府は、依然として、2011年の大災害以降、閉鎖または操業停止となっている日本の原発工場を、新安全基準に合致さえすればだが、再開すると主張している。原子力規制委員会により公表される安全基準なるものは、7月に発効され、多分どの原発も、再開の基準要求に合致しないと思われる。

カナダの環境問題活動家で遺伝学者で、日本再生可能エネルギー財団のデヴィッド・鈴木氏によれば、再生エネルギーの総力挙げての推進は、原発再開ほど厄介ではないと。

必要は発明の母やろが。再生エネルギー分野で多くの成果が上がれば、ヒドイ政治的不安定と低調経済にも拘らず、実際的技術知識を持つこの国が、同じ方向に結集するのでは?

政治家どもにカンケイなく、核エネ離れは起こるやろ。しかし連中はそれを促進する権力とともに阻害する権力も持っているのや。日本は、そんな風潮と戦うのではなく、今こそ時代の先頭を切って転換を可能にすべきやんか。

首相安倍晋三は「美しい国」の誇りを回復する想いを語った。「美しい国」とは2006年のテメエの著書のタイトルであり、その中で彼は日本再生の輪郭を描いて見せていた。そこにはマザマザと、彼の愛国主義、あるいは政治的反発力が見える。今、彼は70%の支持率を誇っている。

しかし、最近の調査では、日本人の70%が、核エネルギーの漸次廃止を望んでいる。この国のエネルギー構成を転換する明晰なリーダーへの渇望があるのやで。安倍の遺産は、今日の東京株式市場の満足度で形作られるのではなく、これから10年、20年先、彼が法制化する再生可能エネルギー政策で、日本がどうヤッテいるかで形作られるのやねん。

「国破れて山河あり」は、日本人の、自然の恵みと慰めの感情をよく捉えたコトワザや。でも最近、ヒロシマのジャーナリストの友人がオレに言うには、このコトワザは方向を変えたと。フクシマの酪農家が、自分のヒドイ状態を「山河破れて国栄える」と語ったと。

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ウム。これは、後進国への、原発を含むインフラの売込に忙しい、セールスマン安倍への批判と取ってエエのかや?

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_ マスコミに載らない海外記事 - 2013/07/29 00:33

本日、天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、各界多数の方々のご参列を得て、主権回復をし損ねたままの国際社会復帰を悲嘆する式典が挙行されるにあたり、政府を代表して式辞を申し述べます。  61年前の本日は、日本が宗主国支配下で歩みを始めた日であります。サンフランシスコ講和条約の発効によっては主権は取り戻せず、日本を日本人自身のも