「CMってナニ?」(6)2013/05/23

「CMってナニ?」(6)

★えー、CM屋の作業のヒトツに Concept Making がある。
コンセプトってナニ?

★ここはヒトツ、コピーライターの大宗匠、土屋耕一サンの「コピーライターの発想」(講談社現代新書/1984年刊)から、その一流の語り口による説明を聞こう。

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★コンセプトという言葉をよくきく。よくきくけれど、なんとなく、あいまいなまま使われているように思う。

★1960年代から70年代あたりへかけて「この広告にはコンセプトのかけらもない」などと人に言われたら、その広告にとっては致命的なボディへの一撃であり、それは、フィラメントの切れてしまった一個の電球のようなもの、と言われているのにひとしかった。

★1960年代に、アメリカから、この「コンセプト」という考え方が海を渡ってやってきたとき、日本の広告の畑は、水を吸いこむ土のような素直さで、これを受け入れてしまった。

(中略)

★ここで、「独創とは破壊である」といった、芸術雑誌の特集のような言葉が、顔を出してくる。すべて既成のもやもやとした空気、なんという理由もなくつづけられている習慣、眠くなるような決まり文句による挨拶、などといったものを、えいやっ、とポリバケツへ捨ててみせるのですが、捨ててしまった音が、がつん、とあたりへひびく必要がある。どうしたらよくひびく音がでるか、を一生懸命、考える。

★そうだ、これを私たちはコンセプトと呼んでいるのである。ラディカルな書き方をするなら、コンセプトとは、まさに、破壊によって始まる表現のことなのですね。ここがただのアイデアなんかと、決定的にちがう一点、と言っていいだろう。

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★さよ、ワメも覚えがある。1960年代、電通の「ラ・テ局」が新橋から銀座へ抜ける高速道路下の狭いビルの中に在った頃、1本の広告キャンペンを創るために、フィルムディレクター、コピーライター、作曲屋、などが早朝8時頃から呼び集められ、一室に閉じこめられて「ブレーン・ストーミング」なるものがよく行なわれた。

★時間は2時間ほど、自分のセンモン分野にカンケイなく、商品について思いついたことをナンでもイイ、恥ずかしさなどサッパリ捨てて、喋りまくれと。そして録音された内容から「コンセプト」が抽出され、メンバーに渡される。そこから各自がコピーやらフィルムコンテやら、音楽やらを創り出せと言うわけ。乾いた「コンセプト」をもういちど脳髄液に浸してイメージを創るのもメンドーな作業で、これはやや、広告代理店のアタラシイもの好き、という感じが強かったかな。でも、新車キャンペンなどの際は、発売時まで、そのヒミツを口外しない、という誓約書に拇印を押させられたりした。これも関係者のテンションを高めるための一策だったのやろ。

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