「男たちが消えて行く:シリア・レポート」2012/11/17 14:25

えー、シリアのハナシは、ニホンには、俯瞰的にしか伝わって来ないんちゃうか?例によって、クリストフ君が現地に飛んでの密着レポート、取り敢えずご紹介仕る。

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「THE MEN ARE VANISHING HERE」(11/16)

「男たちが消えて行く:シリア・レポート」 ニコラス・D・クリストフ

(シリア/バブ・アラ-サラム発)

小雨が降っていて寒い。戦争でホームレスになった家族が、この町に着いてテントの中で新たな生活を始めた。

カディジャ・アル-アリは涙をコラエながら、自分が中産階級の主婦から、ホームレスのシングル・マザーになった経過を語ってくれたのや。彼女はアレッポ北方の町で、仕立屋である夫と、それぞれ6、3、1才の3人の子供と、快適に暮らしていた。ところが1週間前、シリア政府のジェット機が爆弾を落とし、家は破壊された。でもその時、家には誰も居らず、カミサマのお陰で全員無事だった。

その2、3日後、夫が行方不明になった。検問所で拘束されたか、爆弾に当たったか、或いは市内で日常となっている狙撃者に撃たれたのか。「ナニが起こったのかアタシには分からない」とアリはオレに言った。でも夫は多分死んでいる、と従兄は言っていると。

シリア・アラブ赤十字(RED CRESCENT)の支援活動家が、パンの大きな塊を持って来てくれた。子供たちはガツガツと食べた。そのひとカケラが泥の中に落ちたが、子供たちは拾って泥を拭いた。毛布はパンより入手がムズカシイ。「アタシは子供たちが、この寒さで死んじゃうのではないかとシンパイなの」と彼女は苛立っている。

アリのような例が100万以上に増えていると言えば、シリアの苦痛の大きさが解ってもらえるだろうか。すでに4万人が内戦で殺され、250万人が家から追い出されているのや。オバマ大統領はじめ世界のリーダー連は、介入を避けている。この地域を不安定化し、イスラム原理主義者たちをゲンキ付けさせるのを怖れてのことやろ。西欧は、反逆派の自由シリア軍(FREE SYRIAN ARMY)にも神経を尖らせている。内部に過激派が居て残虐行為を犯しているからや。

西欧の関心は合法性にある。多くのシリア国民は自由シリア軍に対してはドッチ付かずの感情を持っているようだ。戦士の中には掠奪や誘拐を行なう手合いも居り、多くは訓練されて居らずプロ戦士ではないのや。(シリア反体制派の新連合は直ちにフランスに承認され、これは少しは役に立つかも)

オレの見るところでは、地方のシリア人は概ね自由シリア軍支持。一方、市民たちは反対だ。武装暴徒がムセキニンに動き回ると、結果政府の爆弾で界隈が荒廃するからや。

イスラム戦士やガイジン戦士たちが増えても、戦闘の中での役割は大したことはない。それも事実やねん。ホンキの連中も居るが、カブキ(歌舞伎)好みの連中も居てはるのや。戦士グループの連中は、武器を手に入れる最上の方法は、ヒゲを生やし、コーランを引用し、サウディ・アラビアやカタールの支援を取り付けることと、心得て居るのやねん。

18才の息子を爆弾で亡くした親西欧派のビジネスマンは、戦士たちには同調しない、と言いながらも彼らを受け入れている。「彼らにはヒトを助けようとするヒューマニティがある」と彼は言う。西欧の無関心とは対照的にと。

反逆派の旗をアレッポに密輸するのを手伝ったために、処刑の危険に面した、あるイスラム僧は、こう言った「アメリカ人はシリアの味方や。でも話し合おうとするだけやんか」さらなる介入には危険がある。シリアはリビア以上に介入が難しい場所や。でも、現在、無干渉主義は失敗している。西欧側の消極的態度は、裏目に出て、アメリカ政府の心配は加速しているやんか:混沌、地域的不安定、派閥主義、そして増大するイスラム戦士の影響などなど。

アメリカが軍隊を派遣するべきではないのは勿論だが。ヒトのイノチを救うため、戦争を終わらせるため、地域の危険を減らすため、同時にアメリカの利益を保護するために、取るべき方法はある。NATOによる、北部シリアの飛行禁止ゾーン設定、自由シリア軍への武器弾薬の譲渡、訓練と情報支援、化学兵器の安全のための反乱軍との協力、など。

「政府は毎日アタシ達を殺してる。誰もアタシ達を心配して呉れない」誰も、その年齢を知らないが、70才台と見えるアイシャ・ムハマドは言う。政府の狙撃隊が彼女の息子の一人の腕を撃った。もう一人は5ケ月前に拘束され、その後消息が無い。まだ生きているだろうかと聞くと、彼女は涙声で呻いた「ワカラナイ」。彼女の村は全部破壊され、今やズブ濡れの寒いテントの中で、独り生きている。彼女や他のホームレスのシリア国民にとって、確かなことはただヒトツ、冬がこれからの何ケ月かを、一層酷いものにすること。

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ウム。やはりクリストフ流レポートは、状況の理解につながるやんか。
シリアでは、イスラム信者が86%を占めるが、その中でのスンニ派と、アサドと軍を支える少数派、アラウィー派との間の反目が不安定の大きな要素なのや。
こうした対立心情は、山のカミ、野のカミ式のニホン人信仰心性からは想像も出来ん。トルコとのイザコザも強まって居り、万事ヤヤコシ。でも、日本人女性ジャーナリスト、山本美香さんが8月、戦闘取材中に撃たれて亡くなって居るのを忘れてはアカンでよ。

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_ マスコミに載らない海外記事 - 2012/11/21 21:39

2012年11月10日 WashingtonsBlog 大使の殺害と… CIA長官の突然辞任の背後にあるより深い疑問 駐リビア・アメリカ大使殺害に関して、共和党はオバマ政権を攻撃しているが(民主党は擁護している)、実はより深い真相があるのだ。 国務省が決して応援を要請しなかったり、アンソニー・シャッファー中佐のような連