「中国大都市同士の隠れた切磋琢磨」2012/01/10 14:45

えー、中国の各大都市が、それぞれ別個に発展しているという事実をご紹介致す。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ヘラ鳥ウォッチング」

「THE HIDDEN DIVERSITY OF CHINA'S MEGACITIES」(01/07~08)

「中国大都市同士の隠れた切磋琢磨」 ダニエル・A・ベル

(上海・発)

外から見ると、中国は高度に中央化された一枚岩のように見える。グローバリゼーションの同一化圧力にも拘らず、それぞれのアイデンティティと文化の違いを保持しているヨーロッパの都市群とは違って、ほとんどの中国都市は単調な画一化に苦しんでいると。

しかし、中国は見かけよりはヨーロッパに似ているのや。経済に関して言えば、中国は半自治都市で構成された薄ーい政治連合体なのだよ。中には、ヨーロッパの一国より住民の多い都市もある。

こうした巨大都市間の切磋琢磨が中国経済のダイナミズムの重要な源なのや。中国大都市がみな似て見えるために、ヨーロッパの各国間同様の激しいライヴァル争いが存在することが解りにくいのや。

中国の都市経済ブームは、1970年代、中国沿岸諸都市の市場改革実験として始まったのだ。最初の経済特別区深土川は、小さな漁村から1979年からのブームによって、現在の1000万都市になったのや。広州から天津に到る他の諸都市も、市場改革で後を追った。今日では、都市群は減税や他のインセンテイヴを利用した有利な競争で、内外の投資家を呼び込んでいる。より小さな都市は特化された製品で勝負し、大きな都市は教育による可能性や文化を誇示する。これらが、都市の最速「経済奇蹟」を導いたのだよ。

しかし「奇蹟」には望ましくない副作用がつきものだ。それが巨大な貧富格差、主として都市と地方の格差やねん。中国13億人の54%に当たる地方人口はヨーロッパ全体の人口に匹敵する。そしてその大部分はイワユル第3世界の生活に甘んじている。その主たる理由は都市への流入を制限する「家族登録システム」だ。その他にも、地方の発展より都市を優先する政策が存在するのや。

都市間の競争は収入格差を除去するには大事な要素だ。この10年間、中央政府は、それぞれの都市に、地方との富の格差に対処する実験を許可している。

最も広く討議された実験が、「重慶モデル」だ。党書記官で上り坂の政治家スター、BO-XILAIが主導した実験だ。3300万の人口と、オーストラリアと同程度の土地を持った首都重慶は、しばしば中国最大の都市と呼ばれる。しかし実際には、2300万人は、農民として登録されているのや。

800万人を越える農民が、既に首都の一番都会的地域に移住し働いている。今後10年間、毎年100万人が移入して来ることが予測されているのや。重慶は巨大な助成金つきの住宅計画でこれに対応して居り、最終的には重慶の人口の30%~40%を収容する住宅が計画されているのだよ。

重慶はまた、家族登録システムを緩めることで、多くの農民に改善を与えている。今では、農民たちは「都市住民」としての登録を選択出来、教育、医療保険、3年後からは年金も受けられる。その条件としては、地方での登録と小さな土地の使用権利を諦めること。

重慶モデルが大きな影響を与える一方、別のモデルも存在するのや。四川省の首都成都は1400万の人口だが、その半分は地方住民で、あまり圧迫されてはいない。この10年で、地方住民と都市住民間の収入格差を狭めつつ、高い経済繁栄を楽しんでいる。

成都は、大量の移民流入を奨励するよりも、地方の環境を改善することに主眼を置いている。政府はその資源の30%を地方にシフトし、地方住民が高い給料を稼ぎ、都市生活の教育、文化、医療保険などの恩恵を受けられる発展ゾーンを奨励している。

オレは最近、輸出用の辛い四川チリソースを作る小さな農地で構成された発展ゾーンを訪れた。多くの農民が自分の土地を貸し、発展ゾーンで働いていた。しかし、自分の土地に残りたい者は、それを許可されるのや。これまでに、農地の1/3が効率の高い大規模農業に転用されている。

都市に居住する地方住民の90%以上が、医療保険を与えられ、政府はさらに包括的な年金制度を導入している。地方の小学校は成都の都市小学校を凌駕するほど施設が向上している。そして地方地域の教員は訓練のため都市に送り込まれるのや。

仕事の機会と福祉制度によって力を付けた地方住民は、購買力を上昇させ、それが中国国内消費を押し上げている。2012年には、成都は、都市住民と地方住民の格差を払拭した中国最初の巨大な地方自治体になるだろう。

成都の成功は、下部からの諮問と参加による、慎重な長期の努力と、財産権の明確化によってもたらされた。それと対照的に、国の権力に頼った重慶は、何百万人の混乱を経て、漸く同じような成果に達したのや。

もし、成都の「温和な」モデルが収入格差を減少させるのに有効な証左だとすれば、このモデルは全国的に適用できるやろ。深土川が市場改革のモデルとなったように。

勿論、基本的な差異はある。成都の土地はより豊沃で、気候も温和なのだ。重慶の荒れた土地や暑さに茹だる夏と較べれば。成都では生活はゆったりとしていて、寒さも緩やかなのだ。ある場所で成功したことが、別の場所ではそうは行かないのや。

最終的に、中央政が、ナニが役立ち、ナニが役立たないかをキメることになる。これはワルイことではない。これが地方地方のヴァリエーションと、国内の競争を奨励するのや。

ヨーロッパのリーダー連はココロすべきやろ。中央政府当局は、ギリシャの例のように「失敗者」を罰するだけでなく、連合体の良き例を作り出した「勝者」に報酬を与えるべきやろが。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ウム、中国の諸都市の解析から、結論がEUに飛び火したところがオモロイ。こうしてみると、中国当局は各有力都市を、半自治体として、かなり上手く扱って居るように思えるじゃんか。イワユル共産主義を卒業して、全体主義だけ残してシホン主義化した中国がアメリカを追い抜くのは、意外に早いかも。

しかし一方日本としては、こうして中国の各地方が都市化し、農民が労働者化、中産階級化すれば、当然、生活水準が上がり、世界的食糧逼迫につながるのは明らか。

♪ドースルドースルあなたなら?