「新しいキム、新しいチャンス」2011/12/25 13:01

えー、クリストフ君の北朝鮮観察コラム。いかなる「チャンス」なのか、ご紹介致す。

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「ヘラ鳥ウォッチング」

「NEW KIM,NEW CHANCE」(12/23)

「新しいキム、新しいチャンス」 ニコラス・D・クリストフ

1989年、初めて北朝鮮を訪れた時、オレは迷惑顧みずに、個人の家庭に入り込んだ。北朝鮮のフツーの人々が実際にどんな暮らしをしているか知りたかったのや。人々はオドロイタようだが、友好的だった。

オレが一番ビックリしたのは、各家庭の壁に取り付けられている「ラウドスピーカー」だった。ラジオに似ているが、ダイアルも、消すためのスイッチも無いのだ。朝になると、そこからのプロパガンダが全家族を起こす。(初めてのゴルフで、キム・ジョンイル様は5回のホールイン・ワンを達成されました!)てな具合だ。これが一日中鳴り響く。この「ラウドスピーカー」は、北朝鮮が独裁国であるだけでなく、かつて無いモーレツな全体主義国であることを実証している。スターリンや毛沢東は、殺人的だったが、ロー・テクだった。キム一族はそれに完全な抑圧システムを加えたのや。例えば身体不具者は目ザワリと考えられ、首都ピョンヤンから追放される。

政府のプロパガンダは全く恥知らずだ。大飢餓の最中、北朝鮮メディアは、飢えた市民に対し、腹イッパイ食べて爆発した男のハナシを持ち出して過食を戒めた。

一度オレは、田舎で、2人の女子高校生にインタヴューした。彼女たちも、ビックリしたようだが友好的だった。オレもビックリしたのや。彼女たちが口を揃えて同じ政治的なコメントを喋るのに。ほとんどロボットやんか。ヴィディオ(映画、音楽、宗教などの)が中国から密輸され始めると、警察が権力を行使し始めた。一軒一軒回って、プレーヤーの中にどんなヴィディオが入っているか調べる。密輸テープが発見されれば、家族全員が強制労働所送りになる。

一体全体この国はどーなって居るのや?この政権はもうオシマイだ、と軽く考えてはアカン。オレは1987年以来、時々この国を取材して来ている。局外者は常に反乱のウワサを囁いたり、政権はもう殆ど崩壊している、などと言ったりする。さよ、北朝鮮政権は、明日にも崩壊するかも知れないし、しかし、後20年くらいは、ヨロヨロと保つかも知れない。「偉大なる後継者」キム・ジョン・ウンはオバマより生き延びるかも。誰もがこの政権を嫌っていると考えてはアカンのや。

北朝鮮人民全部が、キム・ジョン・イル(金正日)の死を悲しんでいるのか?彼等の悲しみは、多分ホンモノだ。北朝鮮亡命者と話していて、いかに多くの人々がキム政権をコキ下ろしながらも、北に取り残されている親族はキム政権を信じていると、付け加えるのにショックを感じた。多くの人は熱情的ナショナリストであり、外国の経済植民主義よりは、自分の国に育った独裁者の方を選ぶのやねん。信頼と恐怖が相俟って国民を支配しているのだ。北朝鮮についての著書の中に、ブラッドリー・マーチン氏はヒトツの逸話を書いている。キムの側近の一人が妻に、ボスの女道楽について話した。北朝鮮システムの品位を信じていた妻は上層指導部に、キムの女遊びに抗議する手紙を書いた。手紙はキム自身に届けられ、キムは女性を呼び出し、大勢の面前で非難した。件の夫は進み出て、妻の処刑を任せて下さいと嘆願した。嘆願は聞き届けられ、夫は自分で妻を射殺したのや。

北朝鮮を孤立させてはアカン。西側は北朝鮮の核計画に対して、経済制裁と孤立化で対応している。しかし孤立化は得てして反発をもたらす。これがキム一族の権力持続を支援し、強化する結果につながるのや。さらに、経済制裁ではキム政権は崩壊しない。1990年代中頃、およそ100万人の国民が餓死した。でも政権は無事だった。

北朝鮮に対する西側の失敗はマニフェストにある。1994年、朝鮮半島は戦争の危険が迫り、アメリカは、マチガッタ見通しに基づく核取引でそれを回避した。クリントン政権は協定の一部として、平和利用原子炉を引き渡しても、間もなくキム政権は崩壊すると考えて居たのや。北にダマされたと気が付いた小ブッシュ政権はこの取引を中止した。その結果は最悪だった。北は核施設を増強し、8個の核爆弾を作るのに十分なプルトニウムを貯蔵したのやねん。

アメリカは北朝鮮を甘やかす中国を非難する。しかし、これは中国政府の戦略なのや。テメエ自身が共産中国を造り上げたキッカケと変革政策をマネしろとキム政権にハッパ掛けてるのやねん。現在、北朝鮮との国境地帯では、中国からのケイタイ、DVD、CDなどが行き渡っていて、アメリカの政策よりもはるかに、キムの支配を掘り崩している。

イイ解決策など無い。しかしリーダーの移譲を、中国のウラを掻くチャンスとして利用するべきやねん。アメリカが、貿易や人的交流など外交関係を少しづつ進めて行けば、この極悪非道な政権を支援することにはならない。逆に、その墓穴を掘るのに役立つかも知れぬ。

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ウム。このコラム、ワメはちょいと戸惑った。クリ君の論旨はかなりロコツやんか。よーするに、いかにして北朝鮮を、中国の思惑外したところで自滅させるか、というハナシやろが。クリ君のニンゲン保護セイシンからすれば当然、いささかもブレは無いが。

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_ マスコミに載らない海外記事 - 2012/01/14 00:42

Stephen Gowans 2011年12月20日 gowans.wordpress.com 今週、北朝鮮の指導者金正日が死亡した後、何が起きているのかを理解するために、踏まえておくべきいくつかの事実がある。 #1. 北朝鮮に対するアメリカ外交政策は、常に、アメリカに支配された韓国への北朝鮮併合のお膳立てをするため、