「ある反カダフィ・リビヤ人士官物語」2011/09/06 12:13

えー、クリストフ君、今度はリビヤのタジュラに移動してのレポート。

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「A LIBYAN PRISONER'S STORY」(09/05)

「ある反カダフィ・リビヤ人士官物語」 ニコラス・D・クリストフ

(リビヤ・タジュラ発)

この春、彼は、リビヤ軍に関するオレの情報源だった。一士官として、カダフィ周囲の上級将校内での不平不満の情報を、ヒソカにオレに流してくれたのや。リビヤ革命が広がると、彼は爆弾や密輸武器をトリポリに持ち込み、カダフィ政府の転覆を支援したのや。

しかし、47才のこの男、サレム・アル-マドゥーンは、3週間前、カダフィ軍に自分の衛星通信装置を発見され、逮捕された。オレはその緊急報告を受けた。多分、既に拷問受けているか、処刑されているに違いない、とおれは推測した。此処に着いて直ぐ、オレは未亡人を慰めに行った。でも、それは必要なかった。反乱軍がトリポリのアブ・サリム刑務所を解放した時、マドゥーンが見つかった。拷問で骨と皮だけになっていたが、生きていた。今や彼はタジュラのヒーローや。トリポリ郊外の彼の事務所と家で、ナゼ彼が、政府転覆に助力したのか、その全部のハナシを聞いた。

マドゥーンはフランスで電気技師の勉強をした。そしてエンジニアとして海軍で位階を上げて行った。2月にリビヤ革命が始まった時、彼の艦船はベンガジ攻撃の指令を受けた。しかし彼は、逃亡を企てて艦船をマルタに向けたのや。その時彼は、仲介者を通じてオレに、海上でアメリカの保護を受けられるかどうかと尋ねて来た。オレはデンワ連絡は取れなかったので、自分のブログで、オバマ政府宛てに、亡命求めるリビヤ艦船に安全を与えてくれるよう要請した。しかしその時、彼は仲間の将校から自分が逮捕される寸前だと聞いて、計画を変えたのや。彼は艦船上でヴィデイオを撮り、自分の亡命を宣言し、他の将校連に、この反乱に参加しないかと呼び掛けたのだ。

当時オレはカイロで、タハリール広場での革命を取材していたが、大緊急のデンワを受けた。そのヴィディオを放送出来ないかと。オレは、それは承知だが、彼の家族は大丈夫かと聞いた。彼自身は身を隠しているが、カダフィ政府が彼の身重の妻と3人の子供に仕返しする危険はないか、慎重に考えた方がイイのではないか、と。

「そう、アタシはその時、彼にそれは大マチガイだと言ったのよ。なぜヤル前に、もっと良く考えなかったのよと」彼の妻は後に振り返って語った。

やや気弱に、マドゥーンは、自分の名前は一切出さないでくれと言って来た。で結局、ワレワレはヴィディオを放送するアイディアを捨てた。彼は家族とともに姿を隠し、地下レジスタンス組織を支援し始めた。

1200人ほどで組織された反乱軍とともに、彼は武器を小舟で密輸し、治安設備を爆破した。また目標地図をフランス政府に送って、NATO軍の政府軍事施設爆撃につなげたのや。

リビヤ女性は、ほとんど注目されなかったけれど、反乱のウシロで重要な役割を担っていた。11才と14才のマドゥーンの娘たちも、他の家族がモスクや小学校に吊した反抗メッセージ書き込んだ反乱軍旗を、ボランティアで繕う手伝いをしていたのだよ。

「カダフィと闘うべき時よ」マドゥーンの18才の姪レハブも叔父に言い、地下組織のどんな仕事も引き受けた。エンジニア学生として、完璧な英語を喋れるレハブは、トリポリのアチコチに反・カダフィの落書を描き散らし、時としてその英語によって、外人は反乱派が健在なことを知ったのや。また彼女はエンジニアの能力を駆使、政府側がブロックしているインタネットに情報を載せ、外の世界にメッセージを届けたのやねん。

5月に彼は警察の捜査に引っ掛かったが、ただの野菜販売者だと言い張った。4時間殴られて釈放された。しかし8月10日、警察が彼の隠れ家を発見、彼の世界は崩壊した。

「逮捕された時、オレは殺されると覚悟した」と彼は振り返る。カダフィの息子の一人の目の前で、尋問の電気ショックを掛けられた。「拷問に耐えられたのはコーランを暗誦し続けたオカゲさ」そして彼は決して名前を名乗らなかった。2週間も経たない内に、反乱軍が刑務所に雪崩れ込み、マドゥーンを、解放されたタジュラ地区の軍司令官に任命したのや。今や彼にはボディガードが付き、近所を歩くと熱狂的な歓迎を受ける。

アメリカは、誰がリビヤのリーダーになって、国をまとめて行くのかとシンパイしてる。実際、いろんなリーダー連が居てはる。でもオレはマドゥーンに会って確信を持ち啓発されているのや。リビヤの未来にナニが待ち構えているかを知るのは不可能だ。しかし、マドゥーンの物語は、チュニジアからシリアまで、アラブの春の可能性に開けられた窓やねん。さよ、この運動は FACEBOOK や TWITTER のオカゲではある。けれど多くの人がイノ チを失くし、手足を失っている。ラクな革命ではないのだよ。

マドゥーンは、このシンドイ活動が手始めに過ぎないことを識っている。でも彼は楽観的だ。リビヤが多数政党の近代デモクラシーを建設出来ると。そしてオバマ大統領がトリポに来てくれれば、お礼を言い、全アメリカ人に支援を頼みたいと。「オレもいつかは死ぬさ。でも生きてる限り、神とNATOに感謝したい」

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_ マスコミに載らない海外記事 - 2011/09/19 09:53

wsws.org Bill Van Auken 2011年8月24日 月曜にフィナンシャル・タイムズのウェブ・サイトに公開された、“カダフィ没落、アラブの春をよみがえらせる”と題するフィリップ・ゼリコウのコラムは、リビアにおける、建前上の“人道的”介入で、ワシントンや他の主要帝国主義大国が狙っている遠大な狙いをかいま見