「生キ残レ 少年少女。」2008/12/23 11:11

《ワメ的・新刊大紹介》

「生キ残レ 少年少女。」 野坂昭如・著

岩波現代文庫 (¥900+税)

えー、野坂昭如と言えば「火垂るの墓」の原作者、数多くの作品を書いた直木賞小説家、そして、もしかすると、ヘンな歌の歌い手、と言うくらいの認識かな、若い世代には。

でも、ホントは、それ以上に、「日本のコメと農業」についてのルポ、エッセイ、対談などの著書が膨大にある物書き、なのだが、これは案外知られていないのかも。

最近になって、日本の自給率の低さがドーノコーノという論議が、テレビ、雑誌のメインテーマとして注目浴びるようになって居る。ドッコイ、野坂昭如は、40年もムカシから、日本の「食」のアブナサを指摘し続けて来たのやで。

もともと、野坂昭如の小説はスベテ、少年時代の「空襲」と「飢え」の「怯え」が原点。それは「コメ農業」崩壊への怯えと、根はヒトツなのだよ。机の上でのシゴトである小説執筆と平行して、自ら数ヶ所に田圃を借り受けて米作りを実体験、無能農政と農協を批判しつつ、アメリカからの市場解放圧力に対抗する農協の「日本のコメCM」を作るなど、「コメコメ原理主義」を「実践」する独自特異な「農本ニンゲン」なのや。

40年も、日本のコメ事情をシンパイし続けて来た野坂サンに較べ、今頃になって、日本の自給率の危機を、他人事のように云々する政治家や役人やコメンテーターのツラ見る度に、ワメは胸クソ悪くてタマランかったのだよ。そこで、この際、野坂サンのコメに関する著書のどれかを、手軽で読みやすい「文庫」か「新書」に収録し、世間に、日本の「飢死の危機」を実感して貰いたい、と思い立ち、2、3の出版社に掛け合ったのだが、採算第一の昨今出版界状況、イロ良い返事貰えなんだ。しかし遂に、出版なるものの規範・王道心得た「岩波書店」がココロヨク、1989年刊の単行本「生キ残レ少年少女」を現代文庫に収録して下さることになったのだよ。

「生キ残レ 少年少女」は、野坂サンとワメが、1988年に作った農協CMのキャッチ・コピー。当時は、少しオーバーなコピーかな、と思っていたが、トンデモナイ、近ごろは、石油代替エタノール生産による世界的穀物危機に加えて、韓国や中国などが、後進国の土地を買い占め、そこをテメエの食糧調達に役立てようという「新・ナショナリズム」まで勃興して居るのや。日本の「少年少女の餓死」は「想定内」のコトと相成った。この際、本書を是非ご一読下され。

なお、88年の15秒「コメCM」3本、ご覧になれます。(WMV ファイル)

 「新宿篇」   「原宿篇」   「日米決戦?篇」

ついでに、93年に「コッチで勝手にCMソング」の中に収録した、野坂サンと元少女合唱隊の歌う 「生キ残レ少年少女」 も、お聴き下され。

コメント

_ Mizuo ― 2009/01/01 16:13

明けまして おめでとうございます☆
いつも楽しく勉強になるブログありがとうございます!
今年もよろしくお願いいたします☆

野阪さんの歌声久々聴きました☆
日本は豊かになりすぎて
完全におかしくなってしまっていますよね。

ウンコ通信を読むと価値観がリセットされるようで
嬉しくなります。
楽しみにしています☆

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